『男はつらいよ』第1作のとき、
渥美さんが41歳、私は26歳。
以後26年にわたって私たちは
兄と妹を演じてきました。
ー 自著『倍賞千恵子の現場』/2019年インタビュー記事より抜粋ー
見どころ
記念すべき第1作【男はつらいよ】1969年公開
お兄ちゃん!?
そうよ、お兄ちゃんよ!
『男はつらいよ』1969年8月27日封切り・松竹。
監督 山田洋次。シリーズ第一作になるが、この映画はこれで完結した内容となっており、のちのシリーズとは少々齟齬がある。
テレビドラマ版では死亡していた寅次郎であるが、この映画では死亡することなく旅に出て終了した。… pic.twitter.com/JJmtA9aSlX— カントク (@kantokuflash) August 27, 2024
第8作『寅次郎恋歌より』・・
#このオフショットはあの映画ですね
このふたり..
本物の兄妹に見えちゃうよね pic.twitter.com/j4j3N6QfDK— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) September 3, 2024
さくらが本当のマドンナだったのではないか説・・
#男はつらいよ / 黄金の方程式💫
それを言っちゃあ、おしめえよ❗️
久しぶりに帰ってきても些細なことから
大喧嘩に発展。再び旅に出てしまう寅に
さくらは、いつも兄の身を案じる.. pic.twitter.com/XNvXYph4JH— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) July 5, 2024
寅さんにとってさくらが真のマドンナといわれるのは、『聖母』という意味だとつくづくそう思いますよね💫😀
— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) July 5, 2024
第42作『男はつらいよ ぼくの伯父さん』(1989年)のときのインタビューで渥美さんがこう答えてました。
寅さんとタコ社長の喧嘩は名物シーンだった
兄さん❗️
プロレスのサミングは反則行為ですよ‼️ pic.twitter.com/9G9OAsi0o0— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) July 4, 2024
太宰久雄さんは寅さんが取っ組み合いの喧嘩をするシーンについて「渥美清が相手だと全然痛くなかった。立ち回りの手加減の仕方が絶妙でしたね」と語っていた。
思わず涙がにじむ、兄妹の情感あふれる別れの場面
寅次郎とさくらは幼き日の思い出をたどりながら、柴又駅で涙の別れをする。
シリーズ中、二人は何度も同じ別れを繰り返すのだが、幼年期のエピソードとともに、
さくらの寅次郎への想いがもっとも強く溢れ出すのが本作での別れ。
こちらでは倍賞千恵子の名演が光る。
これは有名なエピソードですが、電車の乗客はエキストラではなく本物。通常運行の電車が来て、一発本番撮りをしたが何度も撮りなおしになっちゃう。
本当の電車が来て、「おー、来た、来た、ハイ、回すよ回すよ」って山田さんが言って撮影スタートして。渥美さんは次の駅で降りてまた戻ってきて
また次の電車を待って。「あっ、(電車の色)違っちゃうねえ」なんて言いながらやってましたね。
あたし、2階のシーンって..結構好きでしたね。
『2階の別れのシーンに
兄妹の情愛が溢れ出る..』さくら、兄ちゃんの
こんな暮らしが羨ましいかい
そう思ったことはあるかい...あるわよ、一度はお兄ちゃんと交代して
あたしのことを心配させてやりたいわよ#寅次郎恋歌 1971年 pic.twitter.com/ogVKdRwBIF— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) July 5, 2023
お兄ちゃんの素を見るシーンでもあったし。あのトランクに、少ない荷物を一生懸命こう、詰めるっていうね。一番最後の作品『紅の花~1995年、第48作』のときは、それが最後の作品になって。
ずーとスタジオを見渡していたのを憶えてますけど。
で、「おっ、お疲れ様」って降りていったんですよね。
映画のシーンもそうですが・・
『男は背中で語る』・・
寅さんの粋な立ち姿
雪駄の鼻緒にちょこんと指をからめる感じで
履いているのがにくい#寅次郎紅の花 1995年 pic.twitter.com/nLya6GyH5L— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) July 16, 2023
スタジオの隅に立って、ポケットに手を突っ込んで自分の出番を静かに待っている姿。立っているだけで形がきれいというか、美しいというかその立ち方、在りかたに目を奪われます。
渥美さんはかっこよかったですよ。セットで照明の位置を確かめるために、何もせずに待っているとき、肩にふっと上着をかけて立っているとき。やっぱりかっこいい。肌はとてもきれいで、女性のように美しい手をしていました。
肝臓がんが肺に転移していたとのことです
シリーズ晩年の作品では横になりながら
メーキャップをされていたとか・・ pic.twitter.com/IomRDq6law— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) July 23, 2023
お兄ちゃんが別れ際に言ったんです
「おいちゃんおばちゃん達者でな」
「さくら幸せに暮らすんだぞ」最後の出番を撮ったあと..
目に焼き付けるかのように
何度もセットを振り返っていた..
渥美さんの姿が忘れられません/倍賞千恵子#男はつらいよ #寅次郎紅の花 https://t.co/dgQPH6y98P— しなふく📡「昭和」エンタメなニュース発信局 (@sinafukudoa) June 9, 2024
ずいぶん経って、手紙の整理をしていたときです。渥美さんの奥様から頂いた手紙が出てきて、読むとやっぱりボロボロと涙が止まらなかった。ああ、いつも渥美さんはいつも私のことを本当の妹のように、娘のように気にかけてくれたんだ。大切にしなければいけないことを、私はいっぱい見逃していたんじゃないかな。とても、とても大切な人を失ってしまったんだな。
今も柴又を歩いていると、横道から寅さんがひょいと現れるような気がします。思わずはっとして、なつかしいような、せつないような、不思議な気持ちになります。そんなかたちで寅さんは、おにいちゃんは、渥美さんは私の中で生き続けていくんでしょうね。
ー 自著『倍賞千恵子の現場』/2019年インタビュー記事より抜粋ー