寅さん!

リリー伝説 第一章 出逢い

1回目で巡り合った、シリーズ中最も人気の高い『運命のマドンナ』

寅さんのマドンナとして四度の出演回数を誇る、リリーこと松岡清子。これまでのマドンナが寅さんにとって「高嶺の花」的な存在とすれば、、ドサ回りの三流歌手であるリリーはまさに寅さんにもっとも近いマドンナ!

また、リリーを演じる女優は浅丘ルリ子以外に考えられないハマリ役だった。

 

浅丘ルリ子

 

数々の映画作品に出演し、存在感のある演技で寅さんをはじめ多くの有名監督と仕事をする。紫綬褒章(2002年)など数々の賞を受賞した。

映画『緑はるかに』1955年に14歳でデビュー。

日活の看板女優として数多くの映画に出演し、昭和30年代から四十年代のスクリーンで輝き放った。映画出演本数は150本以上。

寅さん繋がりでは、若草物語 (1964年の映画)では歌子ちゃん吉永小百合とも姉妹役で共演している。また、性格は姉御肌で大原麗子さんを実妹のように可愛がっていたらしい。

服装、化粧、ヘアスタイルから漂う「あばずれ」感が最高!

 

最初は放浪の歌姫リリー役ではなかった。

当初..浅丘さんの役は酪農家の未亡人だったそうです。日活の『赤いハンカチ』で裏長屋に住んでいる庶民の娘を演じてたと思いますがエプロン姿で鍋を持って「おとーふ屋さん」と豆腐屋を呼び止めるシーンで山田監督がああいう生活感のある役をやらせたかったとか🙂

おそらく山田監督は、この作品で倍賞千恵子さんが演じた風見民子のような「女手ひとつ」で切り盛りするたくましいヒロインをイメージしていたのではないか...

浅丘さんから申し出を受けたとき、それは本当に細い腕で、きれいにマニキュアを塗ってあって、指輪がきれいに光っていてね。そういう彼女がひどく魅力的にみえた。

ちょっと考えさせてくださいと返事をして、ニ、三日考えた時、かつて釧路に旅をしたときに港の近くにキャバレーがあってその看板に「本日の出演 コロムビアレコード専属リリーXX」と書いてあったのを思い出した。

こんなことを言っては失礼だけど、流れ流れてこんな港町まで来て歌を歌っている流行歌手がいるんだなと思いました。これで行こう、ということで酪農の未亡人ではなく、放浪の歌姫にしたんです。
※山田洋次監督/インタビュー記事より抜粋

しばらくして台本が浅丘のもとに届き、キャバレー回りの売れない歌手リリーとなっていた。

「とても嬉しかった。良家のお嬢さんや普通の主婦じゃつまらない。売れずにドサ回りをしている歌手なんて最高じゃない」

 

寅さんと鉄道

このシリーズでは山田監督が鉄道に造詣が深いということで、第5作『望郷篇』のD51のようにSLが度々..登場する。この作品にも・・・

石北本線を走った急行「大雪号」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さくらが札幌から乗った夜行列車は急行『大雪』、にとって飛行機✈でないところが嬉しい!列車の先頭には【シゴハチ(C58形SL)】が輝いている。

そして...リリーと寅さんが夜行列車で初対面を果たしたのもこの「大雪」だった。

 

網走神社側のエイコー電気横で、寅さんレコードのバイをする。

船長さん、お手にとってみてください

おやおや、この人はひょっとして・・

【寅さん映画/裏のウラ】🎬

実はこの人、本業は装飾(小道具)の助手です。本名は露木幸次さん。出演者のタイトルバックでは、ノンクレジット。愛称は「つゆちゃん」。ロケ先では宴会部長を務める陽気な性格と勘のよさを買われ、
佐山俊二さんが亡くなったあと2代目備後屋になった。

装飾の助手?どんな仕事かというと・・
例えば2日がかりの撮影で、どうしてもうまくやらなければならないのが前日の食卓(消えもの)の再現!
一日目の撮影が終わると同時に、テーブルの上に残っている料理を角度を変えて10枚ばかり写真に撮る。博のコップに残るビールの量。寅さんの皿のイモの転がり具合、刺身の色合い...それらの写真を参考に翌日、撮影開始までに新しい食べ物で前日の状態を復元する。あたりまえの撮影ではないがしろにされがちなところに大きな努力が払われている。

 

さっぱり売れないじゃないか・・・

網走橋/寅さんがリリーに声をかけられる。

このリリーの第一声が鮮やかすぎる。

ここからが本作品最大の見どころといっても過言ではない。

 

不景気だからなあ・・お互い様じゃねえのか?

寅さんが言葉少なに声をかけられ返事をする。ああ、この女も渡世人なんだなあ・・

同じ根無し草という親近感が湧いてくる。

さらに、打てば響くようなテンポの良さ、二人の相性が心地良い・・

 

シリーズ史上、最高の名場面かも・・

似たもの同士の二人はやがて、暮れなずむ波止場で水面を見つめながら、
泡沫のようにはかない自分たちの存在をなぐさめあう・・

あたしたちの生活ってさあ、普通の人とちがうのよね

それも..いいほうに違うんじゃなくて、何ていうのかなあ、

あってもなくても、どうでもいいみたいな つまりアブクみたいな・・

それも上等なアブクじゃねえや

風呂の中でこいた屁じゃないけど、背中のほうでパッチンだ

 

 

 

 

もどってくる漁船を出迎え、漁に出かける舟を見送る。

「お土産、買ってきて」と父親に声をかける子供・・

先ほどの網走神社の横で売をしているところで、レコードを眺めて通り過ぎる船員親子なのか・・

そこにあの、リリーのテーマ..抒情的なメロディが重なり、北の漁港の情景を盛り上げる。

演出、セリフ、演技、音楽、ロケーションのもの寂しさと、すべてが完璧に揃う。

まさに山田演出が冴えわたり、映画は総合芸術なんだと..思わせる出色の名場面。

 

寅さん、何にも聞いてくれないじゃないか・・嫌いだよ

同じ根無し草のふたり、寅さんにはリリーとなんとしても添い遂げてほしいと願うが、

リリーの孤独を埋めることが出来ない。

 

 


さくら、もし、もしもだよ

俺がいねえとき、リリーがたずねて来るときがあったら、

俺の部屋に下宿させてやってくれねえか、

リリーは可哀想な女なんだ...

リリーが本作の物語の中心に据えられているため、肝心の主人公である寅さんにはドラマがあまり起きない。マドンナに出会った瞬間から恋愛マシーンと化すギンギンな寅さんを見たい❣このシリーズのファンには物足りなさも残るかもしれない。

しかし、それを補って余りあるほど寅とリリーの出会いが鮮やかな印象をもたらし、何度でも観たい傑作である。

やはり、結婚生活は長続きしなかった。15作のことがあるから(笑)

 

出演の話があったとき、驚いたのは毒蝮三太夫さんご本人。

山田監督に聞き直した。「相手は天下の浅丘ルリ子。俺でいいんですか」返ってきた答えは「主役は寅さん。それよりいい男では困るんです」。


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