昭和世代の映画雑学

【初代ゴジラの時代感】実況放送の絶叫が痺れる

第1作の本作品は。以後のシリーズ作品とは一線を画するものだと思う。モノクロのニュース映像のようなドキュメンタリータッチで描くストーリーの緻密さ、セリフのなかに伏線と緊張感を盛り込み、前半まだ見えない脅威が次第に迫り来るサスペンスを高めていく本編と、怪獣特撮という新しいジャンルを生み出したエポックメイキングな作品。

そして、あの実況放送だよねえ・・この作品の時代感が溢れていたのは。

ゴジラ誕生に!
秘められたメッセージ

ゴジラ第1作は時代の空気に反応して、『G作品』という仮称で急速に準備が進められた。

時流は日本の高度成長期直前で、未来への期待と戦争再発への不安に引き裂かれていた。そんな世相の中から映画『ゴジラ』が誕生した。

公開と同じ1954年の3月1日、アメリカは、太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行っている。これによって発生した放射能物質「死の灰」が、危険水域の外にいたはずの日本の漁船「第五福竜丸」に降り注ぎ、船員23名が被爆し広島と長崎への原爆投下に続く「第三の被爆」として社会は震撼し、反核運動が起きる。

戦後、ようやく手に入れた平穏を巨大生物によって蹂躙される恐ろしさと理不尽さ、怪獣ゴジラの誕生は新たな核の恐怖という時代性、まだ誰も観ていない怪獣特撮という新たなジャンルによる当時最先端の映像技術がピタリとハマって製作され、センセーショナルなヒット作を生んだ。

さようなら、皆さん、
さようなら!

昭和20年3月9日深夜から10日にかけての東京大空襲を彷彿させる映像は..戦後10年もたたない時代の雰囲気が濃厚だが、当時の観客にとって火の海となった東京が想起させるものは今よりはるかに強烈だったろう。

子供のころ、この実況放送のシーンを聴いたとき「そこまで言うの、逃げないの、死んじゃうの、すごいなあ、このアナウンサー」と正直、驚いたが、やはりゴジラといったらこのシーンを抜きにしては語れないね。

どうでもイイ報告をする

『GHK』ってゴジラ放送局のこと!?

 

この実況中継で殉職したアナウンサーを演じた橘正晃さんは東宝の俳優だったそうで、円谷英二監督とは『ゴジラ』出演以前から知人であったとか。汗で顔が濡れるシーンでは自らの提案でオリーブオイルを顔に塗り、目の前で火をたいて演技をしたというエピソードもあり俳優魂を発揮している。
また共演した女優の間では、撮影の待ち時間によく怪談や講談などを話していたらしい。そう言えば稲川淳二にも似てなくもない(笑)

G-1.0/C でオマージュ

臨場感のある【実況中継】のオマージュシーンになっているけど、やはり『ゴジラ』のほうなんだよねえ、緊迫感があるのは...

つまり視覚に訴えるのか聴覚に訴えるのか

テレビ塔をゴジラが襲撃するんだけど、この災害時に街頭テレビなんかでのんびり見ていられない状況で、あの【実況中継】はラジオなんだよねえ!

というのも、真夜中の日本中にラジオからの絶叫が響き渡ったと言われる「前畑ガンバレの連呼!」の実況中継を、後にテレビの特集番組で聴いたとき、あの日の丸を背負った選手を応援している緊迫感は強く記憶に残っている。例えばプロ野球のラジオ中継なんかもテレビとは違って、選手の一挙手一投足を細かく伝えるからねえ。応援しているチームが逆転ホームランなんか打っちゃうとラジオと一緒に大騒ぎだよ(笑)

まとめ

本編のニュース映像のような時代感を表現する演出や「平和への祈り」の2000名の女子高生を集めたと言われるコーラスのシーンで描かれている反核への真摯な眼差し、一方で精密なミニチュアワークや見事な合成シーンなどのそれまで誰も見たことのない怪獣映画の特撮場面が際立っている。お互いに尊重しあって作品を作り出していく本田猪四郎監督と円谷英二監督のコンビネーションも見事だねえ。


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